剛嘉徳
日本生まれ、10代半ばよりアメリカ、後に自身のルーツである台湾での生活を経て現在東京在住。
趣味はアイアンマントライアスロンやマラソンをはじめとした長距離持久スポーツ。
様々な文化圏での生活と自身のベジタリアン生活をはじめとした食経験やスポーツ経験を生かし、また多くの人が手軽に野菜の栄養を摂取してもらえるようになることを願い、2014年に日本初のコールドプレスジュース専門店サンシャインジュースを設立。ジュースに使うクオリティの高い野菜を求め、日本各地の農家を探訪。

2014年1月、東京・恵比寿にある7坪の店舗からスタートした日本初のコールドプレスジュース専門店「SUNSHINE JUICE TOKYO」は、日本の食生活の価値観を変えたいというある一人の男性の想いからスタートし、今や都内に4店舗を構える人気店に成長した。

コールドプレスジュースとは、野菜や果物を時間をかけて素材の栄養素を壊さないようにプレス(圧搾)するという特徴的な製法を用いて作られた格段に栄養価の高いジュース。なんと1本で1~1.5kgの野菜と果物が使われており、厚生省が推奨している成人の1日の野菜と果物の摂取量350gを大きく超える量だ。

さらに栄養素を身体が吸収する際に消化にエネルギーを使う必要がないため、内臓に負担をかけずに質の良い栄養素をふんだんに摂取できるのが魅力的だ。

トーク1
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なぜコールドプレスジュースだったのか?

代表の剛嘉徳氏は日本で生まれ、その後アメリカ、台湾での生活を経て帰国。台湾在住時にベジタリアン生活を2年ほど送っていたが、日本国内で手軽に野菜や果物を摂取するための”食の選択肢”が少ない事実を目の当たりにする。そして、NYで出会ったコールドプレスジュース店に感銘を受け、これなら自身がベジタリアン経験の中で感じていた体調の良さを手軽に実感してもらえると確信し、国内での開業に踏み切った。

”健康管理は自己マネジメントの一環”だと考える海外のビジネスパーソンたちには、コールドプレスジュースを飲む生活が定着しているという。しかし、開業当時はそういった文化や価値観が乏しい日本において、この素晴らしい健康管理方法をどう認知させ実践してもらうかが肝だった剛氏は2つの策に出る。

一つは実際にアメリカで使用されている特別なコールドプレスジュース用のミキサーを取り寄せ、新しいことへの感度が高い人たちが集まるファッションブランドの展示会やヨガやランニングイベントなどに自ら顔を出し、ジュースを振る舞うことで認知度を高める戦略を取った。

コールドプレスジュースの機械

もう一つは、ジュースの品質を向上させるための材料である野菜や果物の仕入れに徹底的にこだわる。全国各地の生産者訪問を繰り返す活動を続けている中で、無農薬で質は格段に良いが、形が悪いなどの理由で市場には出回らない規格外の野菜や果物が溢れていることに気付く。野菜作りに失敗すると収入に多大な悪影響が生じる農家にとって、”高品質なジュースのための素材”として仕入れてくれる剛氏は強力な味方になる。

そうして質の良い素材を安く仕入れ、消費者には低価格でジュースを提供できるというモデルに特化したことで、潜在化していた「もっと手軽に野菜や果物を摂取したい」という層から多大な支持を得ることに成功した。今では直営店だけでなく、冷凍されたジュースが手軽に入手できるオンラインショップも充実しており、より利便性と継続性が向上させるユーザビリティも追求している。

試行錯誤した経営とスポーツの両立

そんな剛氏は根っからのスポーツ愛好家だ。ランニングを10年以上、トライアスロンを8年以上、その他にもサーフィンやオープンウォータースイムなど、マルチにスポーツをこなす。友人からロードバイクを譲り受けたのを機に自転車に乗り始め、トライアスロンの大会に出場した。アウトドアで思い切り身体を動かす解放感や様々な業種の仲間と出会い、とにかく日々の練習が楽しくて仕方なかったという。

トライアスロンのIRONMANやフルマラソンといった過酷な長距離レースでは、これまで積んできた練習の量や質、身体作りやレース展開のセオリーなど、スタートラインに立つまでのあらゆる要素がレースに反映され、それがたまらなく面白いという。そのため、開業当初は時間を作り、多少の自由度を持ってスポーツを楽しめていたが、店舗数も増え忙しくなるにつれ、トレーニングに割く時間を減らしていった。

だが、隙間時間を活用して練習に取組んでいる剛氏は、やはり継続してスポーツを真剣に楽しむことは仕事においてもメリットがあるという。

「やはり、強くいられますね。心がいつもポジティブというか。多少何か問題があっても、なんとかなると必ず思える。たとえ瞬間的に落ち込んだとしても、すぐに自分を取り戻せるんです」

トーク

経営者がスポーツをする理由とは

剛氏にとって、仕事とスポーツはとてもうまく共存している。経営者たるもの常に頭の中に仕事があり、未来を見据えて道を切り拓くことを”やり続ける強さ”が必要だ。アイディア出しと検証と決断の連続の日々の中、トレーニングをしながら頭の中にある考えるべきことの引き出しを開け、走りながら、泳ぎながらそれに向き合う。そうすると、頭の中がクリアな状態で思考もポジティブになり、良い決断ができるという。

外的要因にも内的要因にも惑わされることなく、考えを整理し自らの根幹にある思考の軸に立ち戻るためにも、身体を動かす時間は日々欠かせないそう。競技としてレースに出ることだけが練習の意味するところではなく、仕事における自己実現や社会貢献においても運動することは大きな意味を持ち、それぞれに見合った取り入れ方をし、継続することが大事だと語ってくれた。

食生活は心身の健康にダイレクトな影響を与える

いろんな形でスポーツを楽しむ人たちに剛氏がお勧めするのが”ジュースクレンズ”だ。ジュースクレンズとは、ある一定の期間固形物を摂取せずジュースだけを飲み続けることで、日々酷使している消化器官を休ませながらも、栄養価の高いジュースを摂取しながら体内の老廃物を排出し、身体をリセットするというデトックス方法。

ジュース拡大

内臓が固形物を消化するのに必要なエネルギーはフルマラソンを走るのと同等に必要だと言われており、長らく酷使され続けているそれらは正常な機能を果たせずにいる。食べたものでしか人間の身体は作られないが、定期的にクレンズを用いてリセットすることで、良い状態を保つことが可能。

多くのスポーツ愛好家は、健康維持が目的の一つであることが見受けられるが、運動をしては高カロリー高脂質の食べ物を摂取し、補給食として添加物が多く含まれた栄養補助食品を食べていてはもったいない。

現に、海外のスポーツ愛好家たちは運動した時ほど身体に綺麗な栄養素を取り込む習慣が染みついていると感じる場面に、剛氏は何度も直面してきたという。

栄養素を効率良く手軽に摂取し、身体をリセットすることももちろんだが、そういった身体と向き合うための気づきや意識変革にもコールドプレスジュースを選択肢として生活に定着させ、活用してほしいと剛氏は語る。

毎日1本でも飲み続ければ、食生活における根本的な意識が変わっていく。剛氏はこれからも世の中のすべての人たちに”未来の健康な身体への投資”のための素晴らしい選択肢を提供し続けていく。

Interviewed by Marina Kitagawa and Photo by Pearl Izumi