PICC 湘南シクロクロスに参戦

透き通った空と春の訪れを感じさせる陽気を感じられ気持ち良い晴天に恵まれ、PICCのメンバーは初のシクロクロスレースに挑んだ。今回出場した湘南シクロクロスはいわゆるビギナー向けとされるレースで、コースレイアウトは穏やかだそうだ。 湘南シクロクロスに参戦 PICC(PI Cycling Community)から参戦したのはロードレースやトライアスロンを主戦場とするメンバーたち。普段のレースであれば一度着けたクリートを外すことはなく、バイクを担ぐこともない。急な勾配や障害物があるコースを攻略すべく、ベテラン選手からレクチャーを受け、状況判断の重要性を感じながらスタートを待つ。シクロクロスのレースはカテゴリーごとに時間だけが決まっており、トップ選手のスピードによって周回数が決まる。アナウンスされる週回数に耳を傾けながらレースに集中するのだ。 湘南シクロクロスに参戦 湘南シクロクロスに参戦 最初にスタートしたのは岩淵選手と矢作選手。岩淵選手はトライアスロンの強豪選手であり、豪脚の持ち主。矢作選手はバイクに乗り始めて半年ほどのビギナーだ。ゼッケン番号順にスタート位置に入っていくのだが、二人とも最後方からのスタート。どのようなレース展開になるのか、ワクワクしながらフォーンが鳴った。スタートダッシュしていく選手に負けじと、二人もペダルを踏む。道幅が狭くコーナーが多いため、一緒に走っている選手との距離感を測りながらうまくコーナリングしていかなければならない。ディスクブレーキのため、ブレーキングの感覚もいつもと違うだろう。そんなあらゆる”初めて”を楽しみながらも、岩淵選手は前を追うパワーが緩まない。 矢作選手はとにかく楽しみながらマイペースに走っている様子が伺える。30分という短い時間ではあるが、まさに高強度。シクロクロス初レースにして10位台という好成績でゴールした岩淵選手の汗はしたたり落ち、しばらく止まることはなかった。エキサイティングなレースの中で初参戦がゆえの様々なシーンがあり、興奮冷めやらない様子が印象的だった。 湘南シクロクロスに参戦 第2軍は別カテゴリーで合計4名の選手が出場。マウンテンバイクに乗りなれている選手や、初めてのシクロクロスバイクのため安全性を重視してランニングシューズで乗る選手など、スタイルは様々。こちらも後方からのスタート。ベテランの二人はスタート直後からともに走り続ける。コーナーやアップダウンが得意な一方、ストレートが得意な選手のパック。協力体制を築いているのかと思いきや、実はサイドバイサイドのレース展開を繰り広げている。 湘南シクロクロスに参戦 湘南シクロクロスに参戦 レース途中での予期せぬパンクや、下りの着地の衝撃でバイクシューズのソールが剥がれるなどのトラブルに見舞われる。パンクは致命的なトラブル。普通のロードレースであれば、自らパンク修理をしたり、ホイールステーションで交換、またはDNFという選択肢があるのだろうが、シクロクロスの場合はそのような手段はない。一つあるとすれば、バイクを担いで走って必ずゴールゲートをくぐることが美学だという。さすがにバイクシューズのソールが剥がれた選手はDNFを選択したが、パンクをした選手は前述の方法で完走を果たした。 湘南シクロクロスに参戦 シクロクロスのレースはトリッキーなコースであるがゆえ、息を抜くところがない。そのため、GPSウォッチには普段では見られない心拍数が表示されている。ゴール直後は、走り切った爽やかな笑顔と疲労感で溢れた選手たちがお互いを讃える握手を交わす。苦しかったシーンもトラブルも、レース後になれば良い話題へと変わり、それぞれのストーリーを語り合う。この高揚感があるからこそ、緊張感やプレッシャーが伴うレースであっても不思議とまたチャレンジしたくなるのではないだろうか。怪我なく無事ゴールできたことにもメンバー全員で一安心した。 湘南シクロクロスに参戦 今回PICCが着用しているシクロクロスウエアは、このレースのためにデザインされたもの。ネイビーというベーシックなカラーをベースに、2色のドッドが散りばめられたスタイリッシュなデザインだが、レース会場ではキャッチーで目を引いていた。そして、シクロクロスのような転倒が多いレースでも生地が破けることはなく、最後まで快適に過ごすことができた。ウエアは真冬用シクロスーツ(撥水生地)と、シクロスーツ ウォーム(裏起毛)の2種類を開発、5名の参加メンバーでそれぞれのウエアを着用し、大会後着用感や使用感について会話した。 また今回、シクロクロスバイクは株式会社ミヤタサイクル様にご協力頂き、各メンバーはMISSION CXシリーズを利用した。MISSION CX 5000は総量8.6kgと超軽量。各部のスペックにこだわりぬいた最新鋭のカーボンレーシングバイクだ。芝生、坂などいかなる環境でも快適にライドできた。 湘南シクロクロスに参戦 レースを楽しむためには、袖を通せば気が引き締まり、エネルギーがみなぎる着心地の良いウエアと、継続的にチャレンジし続けられるコミュニティの存在は欠かせない。これからもレースを重ねるごとに上がっていく経験値と共に、ウエアの進化と仲間の絆も深まっていくことだろう。 協力/株式会社ミヤタサイクル(シクロクロスバイク)