オールドパールイズミ好き社員のコレクションで振り返る

社内でもあまり知られていなかったが、パールイズミ社員にオールドパールイズミ好きがいる。自らオークションサイトで年代物のパールイズミジャージを探し、落札してしまうほどのコレクターである。長い歴史とともに少しずつ変化しているパールイズミのロゴを、年代ごとにオールド・パール、ビンテージ・パールと名付けて楽しんでいる。コレクションはウェアだけにとどまらず、40年以上前のカタログなど各年代のカタログも大切に保管している。
オールドパールイズミ好き社員のコレクションを見ていると、当時の時代背景を感じるデザインや、今見ると逆に斬新に感じ、復刻版の商品を作ってみたいと思える魅力的なビジュアルなど、パールイズミが歴史とともに積み重ねてきたレガシーをリアルに感じ取れる。
今回はほんの一部ではあるが、1970年代、80年代の印象的なビジュアルやプロダクトをピックアップしてご紹介したい。

レコードのジャケットを彷彿させる1970年代のビジュアル

2つのカタログのビジュアルは正確な年代は把握できていないが1970年代のもの。レコードのジャケットのような印象で、今見ても斬新でかっこよく感じる。今でいうオールドスクール的な雰囲気があり、Tシャツなどにプリントして復刻させたいビジュアルである。
レコードのジャケットを彷彿させる1970年代のビジュアル
レコードのジャケットを彷彿させる1970年代のビジュアル

様々なテイストが入り混じる1980年代のビジュアル

1980年のカタログ。レースのシーンの画像を加工したと思われる。そして奥のサポートカーにはパールイズミと書かれており、この頃から今のiPマークといわれるロゴの原型となるPを変形させたロゴが出ている。スポーツシーンを採用しながらもクラシカルで落ち着いた雰囲気に仕上がっている。
様々なテイストが入り混じる1980年代のビジュアル

乗り方の違う3パターンのサイクリストのイラストを重ねた1981年のカタログ。線のみで構成されたデザインはとてもスッキリとした印象で、カラーリングも明るく爽やかである。3つの乗り方を重ねているのは、”ファンライドからレースまで使えますよ”という表現なのかもしれない。
様々なテイストが入り混じる1980年代のビジュアル

PEARL IZUMIのアルファベットとサイクリストのイラストを組み合わせたスポーティーな印象のロゴと、初代Pマークが中央に配置されている。上部のロゴは復刻ジャージとして採用してみたい。コピーには「FOR RACING & TOURING.」と書かれている。レース志向のサイクリストからホビーサイクリストまでを対象にしていることがわかる。
様々なテイストが入り混じる1980年代のビジュアル

80年代の最後に紹介するのは1984年のこのビジュアル。サイクリスト2人が楽しそうに乗っている画像を中心に構成された今でも見るような構図だが、2人のサイクリストはノーヘル。この頃はヘルメットを着用しないスタイルがメインビジュアルに使われるほど一般的だったことがわかる。今では考えられないがこれも時代を象徴しているビジュアルといえる。
様々なテイストが入り混じる1980年代のビジュアル

現代のサイクルウェアの原型となるウェアたち

オールドパールイズミ好き社員のコレクションの中から、カタログと同様に80年代のパールイズミのウェアを紹介したい。

まずはこの白×赤のこちら。サイクルウェアというよりも、運動着というほうがしっくりくるようなウェアである。
現代のサイクルウェアの原型となるウェアたち
内側のタグにはカタログでも見たオールドスタイルのロゴが書かれている。

現代のサイクルウェアの原型となるウェアたち
襟付きのラグランスリーブになっていて、バックポケットなどは見当たらない。胸元の刺繍もアルファベットを変形させたロゴなのか、どこかのチームのロゴなのか把握はできないが、生地の手触りや伸縮性はよかった。当時であれば快適に動けるウェアだったに違いない。

こちらは緑×黒×白の大胆な切り返しが特徴。リブとボディーで素材が違ったり、首元にジッパーが付いていたりと、現代のサイクルウェアにも採用されている要素の原型ともいえる部分が見られる。

現代のサイクルウェアの原型となるウェアたち
前面の裾につけられた菱型のPマークのタグがとてもかわいい。

現代のサイクルウェアの原型となるウェアたち
今でも古着としてデニムと合わせて、カジュアルに着こなせそうなウェアである。

最後はこの赤ベースにアルカンシエルのストライプを袖や胸にあしらったジャージ。
現代のサイクルウェアの原型となるウェアたち

今でもチャンピオンジャージやレプリカジャージなどにみられる配色だが、これは色ごとに丁寧にストライプが縫い合わされている。おそらく当時だとかなり手の込んだ作りだったと思われる。
現代のサイクルウェアの原型となるウェアたち
このジャージを見ると、ヘルメットを被らないスタイルで、ヨーロッパの山岳コースを選手が走っているシーンが思い浮かぶ。

こうやって、40年前のサイクルウェアやカタログに触れると、現代のウェアに至るまでの様々な変化や道のり、そしてその道のりは決して容易でなかったことが想像できる。長い歴史の中で、多くのサイクリスト、そして作り手の知恵や努力の積み重ねがカタチとなり、今につながっている。
サイクルウェアは、技術の進歩とともにこれからさらに進化していくと思うが、これまでのプロダクトやパールイズミのものづくりに関わったすべての人への敬意を忘れずに進化していきたい。

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