昨年の8月からPearl Izumiのブランドアンバサダーを務めている大西勇輝さん。当初はサイクルウェアのPRやアイテムの着心地のフィードバックを頂くなどの仕事を一緒に始めた。

大西さんはフルタイムでスポーツ関連の仕事をしながら、自身でトライアスロンのトレーニングをしたり、大会に出たりしていることは、PI People vol.10-11で紹介した。

去年の12月頃、一緒にウェアの話をしている際に「今仕事は施設の空間プロデュースの仕事をしたり、初めてトライアスロンを始める人たちに教えることでスポーツの楽しさを多く人に知ってもらうことがメイン。これからは改めて自分自身がスポーツにもっと浸かっていきたい」という話を聞いた。

そして、「2017年からは佐渡トライアスロンや宮古島など、ミドル・ロングディスタンスの大会にも出ていきたい」と語ってくれた。

「佐渡トライアスロンに出たい」

佐渡トライアスロンと言えば、日本のトライアスロン大会でも中でも人気で、国内でも難易度の高い大会として知られている。Pearl Izumiはかれこれ8年近く佐渡ロングライドの出展で佐渡市と関わりがあった。長年出展で訪れている佐渡には、多くの従業員にとっても強い思い入れがあった。

さらに「トライアスロンのチームを作ったらどうか?」となった。大西勇輝さん、北川麻利奈さんといったアンバサダー、社内にいるトライアスリート、Pearl Izumiのユーザーなどを募り、一緒にトレーニングをして大会出場を目指すことは、その過程でプロダクトテストなども出来るので面白いと感じた。

トライアスロンでは人気の大会は抽選なので、チーム全員が同じ大会に出られる保証はないが、トレーニングだったらメンバー全員で楽しめる。

また、タイミング良くPI People vol.5で紹介した通り、トライアスロン用のウェアリニューアルはチーム結成の時点で着々と進んでいた。チーム作りはこれらを試す機会には最適なアイディアだった。

BAYS

そして、この開発中のオーダーウェアラインのトライスーツでチームオリジナルジャージをデザインすることにした。練習時、大会時にオリジナルのチームウェアがあればトレーニングのモチベーションが上がり、チームメンバーの結束感が高まることは確実だ。チーム内でデザイン案を考えるのもオリジナルウェアづくりの楽しみだ。

メンズはコバルトブルーとネオンイエロー、レディースはシックなバーミリオンとグリーンを組み合わせた。

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社内・社外メンバーでTeam PIを立ち上げる

Pearl Izumiのチーム設立メンバーはトライアスロンチームを結成するにあたり、以下が重要だと考えた。

  1. 一般のユーザーをメンバーに入れること(トライアスロンのエントリーユーザー、経験者をバランス良く混ぜる)
  2.  サイクリングブランドが今まで協業したことのない異業種ブランドと組むことで、化学反応を起こす
  3.  チームでの活動を通して新製品プロダクトのテスティングを頻繁に行い、ウェアの質を上げていく(熱心なアマチュアアスリートの感覚を早いタイミングで開発に巻き込む)

Pearl Izumiは宇都宮ブリッツェンなどJプロツアーのプロサイクリングチームをサイクルウェアの提供を通して長年サポートしている。チームの代表や監督の方々から日々のチーム運営、大会準備、資金調達などの苦労を聞いていた。

プロチームの運営とは決して比較にならないが、草チームでも自社で一度チームを運営すれば、彼らの大変さが体験できるのではとも思った。 合わせてチームの価値が分かるのではとも。

横浜でのランニング

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異業種ブランドのコラボレーションとして、トライアスロンのランパートで欠かせないのがランニングシューズ。世の中には無数のランシューズがあるが、チームメンバーの中にONのファンがいたこともあり、ONジャパン代表の駒田さんに東京マラソン出展中の忙しいところを直撃した(写真の下段真ん中、キャップを被っているのが駒田さん)。

ONはトライアスロン、トレイルラン、ランニングのシューズとして世界中で急速に成長している新興ブランドであり、2017年にはクラウドフラッシュというシューズでISPOで最も名誉ある「プロダクト・オブ・ザ・イヤー」を受賞している。

以前ランニングイベントでONジャパンさんと一緒に走ったことはあったが、いきなりONブランドのロゴ入りのカスタムデザインウェアのイラストを持っていって、「一緒にお仕事できませんか?」と言われて、駒田さんもびっくりしたに違いない。

東京マラソンのブースで短い時間でお話をする。「ウェアだけのコラボレーションではなくて、僕達もPearl Izumiのチームに混ざって、どこかの大会に一緒に出ましょう!」と、思わない展開になり嬉しくなった。

そして、先月5/24にはランニングの会に駒田さんをお誘いした。ハマのダンディズムこと駒田さんの横浜オフィスの近く、そして大西さんが最近プロデュースに関わったBays(ベイス)を拠点に、チームメンバーで8kmほど一緒に楽しく汗を流した。

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その他、スイムゴーグル、OWSのゴーグルで多くのプロスイマーが愛用する株式会社タバタさんのブランドView、そして大西さん、北川さん(もう1人のPearl Izumiアンバサダー)がPRを手伝っているコールドプレスジュースのサンシャインジュースさんとのコラボレーションも実現させた。

実はタバタさんはPearl Izumiのオフィスがある両国から徒歩で15分ぐらいの同じ下町墨田区にオフィスを構えている。下町には歴史的にも職人や昔ながらの問屋が多い。今でも多くの日本メーカーのオフィスがある地域なのだ。

大自然の館山合宿でのプロダクトテスティング

開発中のトライスーツのテスティングとして、チームメンバーが全員参加できるトレーニング合宿を7月に企画した。この合宿をフィールドテストとして位置付け、大西さん、北川さんにはチームのパフォーマンスマネージャーとしてトレーニングメニューを組んでもらった。

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またスイムのコーチには、プロスイムコーチでマスターズ(社会人水泳)の大会で日本記録を13個、世界記録を2個を保持しているトップスイマーの前田康輔さんにコーチを担当してもらうことになった。

この合宿でチームメンバーのパフォーマンスは確実に高まり、かつアマチュアアスリートとしてはかなりハードな状況下でチームデザインしたトライスーツを着用する。合宿でのメンバーからのフィードバックを今後のプロダクト開発の参考にしたい。そして、より多くのチームメンバーと大西さんが目指す佐渡トライアスロンに参加したい。